定年退職後の生活費などの老後資金への心配から、資金調達の手段としてリバースモーゲージを利用する人が増えてきています。
リバースモーゲージとは?
いわゆるシニア世代向けの貸付制度で、自宅を担保にして生活費などの資金を借入れることが可能です。また、借入可能額は金融機関が担保となる自宅の評価額を算出し、その一定の割合を融資限度額として決定します。
生きている間は自宅に住み続けながら利息のみを払うので、毎月の返済額は少ないのが特徴です。元金は契約者が亡くなった時に担保となっていた物件の売却代金等で返済する仕組みになっています。
利用者はどれくらい?
最大手の東京スター銀行では融資残高1200億円超、累計1万4000人が利用しており(2020年末時点)、特に70歳前後の利用者が多くなっています。ただし、利用地域が限られてしまったり融資限度額が担保評価額の半分以下になってしまったり、思ったような金額が借りられなかったりする場合もあるようです。
デメリットや注意点は?
リバースモーゲージは利用中に元金を返済しないので、金利と返済期間は同じ場合は返済総額が一般の住宅ローンより多くなってしまいます。長生きして利用期間が長くなればなるほど利払いが増えて支払総額も増えてしまうので、利用期間は出来るだけ短期間にとどめる必要があります。
また、リバースモーゲージは契約者が亡くなった時に担保として売却することになるので、相続人が自宅を引き継がないことが大前提です。利用時には子供などの相続人となる人に話しておくことも重要でしょう。