最近、50代・60代で住宅ローン返済に悩む人が増えてきているといいます。ローンを組んだ30~40代頃は収入がほぼ順調に伸びていても55歳前後の役職定年や60歳以降の定年後の継続雇用等で減収となり、返済負担が重くなるという例が増えてきているようです。

 

その要因としては、バブル期に高値で購入したため多くのローンが残っている人も多いようですが、晩婚化などで住宅を購入する年齢が遅くなり、40代でローンを組む人が多くなったことも挙げられます。今後60代で多額のローンを抱える世帯が増えてくる可能性も高いでしょう。

 

定年期に多額のローンを抱えてしまう場合、ひとつの対策として「退職金等で残債を一括繰り上げ返済する」と考える人も多くいるかと思います。ローンの返済という負担はなくなりますが、老後の資金準備が十分できていない方にはこの対策はおすすめできません。

長寿化により、公的年金だけでは家計が赤字になる可能性も高く、多くの高齢世帯は貯蓄を取り崩すなどしているとみられています。退職金の大半でローンを返済してしまうと医療・介護などの急な出費に備える貯蓄が少なくなってしまうかもしれません。退職金も10年前に比べて減少傾向にあるので、将来の生活資金のため温存するほうが安全といえるでしょう。

 

退職金全額ではなく退職金の一部を繰り上げ返済にあてれば、返済負担が減るとともにある程度の資金を手元に残すことができますし、子供の独立後に現在の住宅を売ってローンを完済し、夫婦二人に十分な広さの住宅に住み替えることも案として考えられるでしょう。

 

こうした対策のメリットやデメリットについて理解したうえで、自分の事情に合わせて検討し、定年後も長く働いて収入を増やしたりローン返済以外の支出を見直したりするなどして、対策を練ることも必要になってくるでしょう。