再び増加傾向にあるタワーマンション、その建物自体の老朽化と、住民の高齢化が問題になりつつあります。

■タワマン(タワーマンション)とは

タワマンとはタワーマンションの略称で、法的な定義はないものの、一般的に高さ60mを超える超高層マンションのことを指します。フィットネスジムやスパ、バーラウンジなど共用施設を売りにするタワマンも多くみられます。2000年以降に急増し始め、一度は棟数が減少したものの、最近になって再び増加し始めています。

 

■老朽化がもたらす問題点

バブル期前後に建設され、築30年以上になるタワマンは全体の1割を占めると言われていて、老朽化が進むタワマンは、仮設工事や外壁工事の費用が高額になります。また、タワマンの特徴でもあるエレベーターや機械式駐車場、空調設備などの修繕費用もかさむため、修繕積立金だけでは賄いきれない恐れがあります。

タワマンの歴史は浅く、管理方法が確立されていないため、一般的なマンションと比べて大規模修繕の難易度が高いのも事実です。

 

■住民の高齢化がもたらす問題点

タワマンの築年数が古ければ古いほど、その住民の高齢化が進んでいる傾向があり、管理費や修繕積立金の負担が大きくなっているといいます。また、管理組合の構成員は多いものの、住民の高齢化から役員のなり手が少なく、役員の後継者候補探しも難航しているような状態です。

 

こういった状況を鑑みて、修繕積立金の段階的な値上げをしようにも、総会への出席率が低く、合意がスムーズにいかないケースも多くなってきています。国交省では、修繕積立金や総会での合意形成の現状を調査し、資金管理などのガイドライン作成を検討する方針だといいます。

立地の良さや利便性が評価されてきた、タワマン。そのタワマンの今後をどうしていくか、真剣に考えることが必要になってきたようです。