首都圏を中心に増えてきたタワーマンション、大型台風によって露呈した問題をはじめとして様々なリスクが浮上してきています。

1.地下に配電が集中していることによるリスク

台風19号の影響で地下が浸水し電気設備が故障、エレベーターや排水設備が動かずトイレも使えなくなりました。また給水ポンプも電動のため断水となり、日常生活に多大なる影響がでてしまいました。

タワーマンションでは大規模な配電設備が必要なため、地下に設置するのが一般的ですが、今後は配電装置を水密構造にする等の災害に備えた対応が必要となるでしょう。

 

2.被災後の復旧費用の捻出に対するリスク

今回被災したタワーマンションの共用部の工事費用をどうするかが問題となっています。

管理組合が保険に加入していれば補償されるかもしれませんが、もし加入していなかった場合は修繕積立金から費用を捻出することになります。また、修繕積立金が不足していた場合には所有者の自己負担となる可能性もあるのです。

 

3.大規模修繕工事費用に対するリスク

タワーマンションの場合、約15年ごとに行う大規模修繕工事に多額の資金が必要となります。1戸当たりの費用は一般的なマンションの2倍とされており、修繕積立金の不足や管理の滞納等があれば、いずれ大規模修繕工事自体が実施できなくなってしまう可能性もあります。

 

今後、古いタワーマンションが増えて修繕工事が本格化していく中で、高まるリスクに対し、どう備えるかがポイントとなってくるでしょう。最近購入者も増えているタワーマンションですが、購入前に災害時や今後起きうるリスクについてしっかりと考えることが大切です。