「現在の年収では住宅ローンを組むのは厳しそう」「年齢的に住宅ローンを組むのが難しそう」といった理由で【親子リレー返済】を利用するという方も少なくありません。今回は【親子リレー返済】について解説いたします。

 

■親子リレー返済とは

親子リレー返済とは、親と子でひとつの住宅ローンを組んで、親と子が一緒に返済をしていくというものです。親と子の収入を合算することが出来るので、片方だけでローンを組むより借入金額を増やすことが可能です。また、2人で長期間のローンを組むことが出来るため、年齢が原因で住宅ローンを組めないなどの問題も解決することが出来ます。最初は親が返済をし、後にローン返済の後継者として子が返済を引き継ぐのが一般的です。

 

■親子リレー返済 利用の条件

親子リレー返済には利用条件が設けられています。(金融機関によって多少条件は異なります。)

・親と子が同居中、または同居予定

・ローン返済の後継者は申込者本人の直系尊属(子や孫)またはその配偶者

・親と子それぞれに安定した収入がある

・加入時の子の年齢が18歳以上70歳未満、最終返済時の年齢が80歳未満

・団体信用生命保険(団信)に加入できる

・ローンを引き継ぐのは連帯債務者になる人

 

■親子リレー返済 注意点

親子リレー返済には次のような注意点があります。

○ローン返済の後継者となる子が、途中から返済を抜けるのは困難

⇒子は親子リレー返済の連帯債務者となっており、親の返済期間中も同等の返済義務を負っています。別の住宅ローンを組むことは難しい可能性が高く、将来的に住む場所が変わる予定がある人は特に注意が必要です。

 

○相続トラブルが起こるリスクが高い

⇒親が亡くなると住宅が相続財産となり、相続人同士で持分について揉める可能性があります。事前に、話し合いの機会を設けたり、遺言書を作成したりしてトラブルを回避できるようにしておきましょう。

 

子の残債の負担が大きくなる場合がある

⇒親の病気やケガが理由で返済が困難になった場合、残債を返済する子の負担が大きくなります。また、返済途中に親が亡くなる場合に備えて、団信に加入しておくと良いでしょう。万が一、親に何かあっても親の残債は保険金で返済することが可能です。

 

■まとめ

親子リレー返済は、高額の借入や長期間の借入が可能になるなどのメリットもありますが、子が途中から返済を抜けることが困難な可能性が高いなどのデメリットもあります。

親子リレー返済を組む前には、将来的な予定やもしもの事態に備えて申し込みを検討しましょう。