最近、都市部のマンションで駐車場の解約が目立つようになりました。駐車場代は修繕積立金の原資となっているだけにマンションの維持について心配の声が上がっているそうです。
しかし、対策を講じる費用について、車を所有しているかどうかで住民間で対立が起きがちです。ここでは、実際の具体例とともに解決策をご紹介いたします。
(1)空き駐車場をカーシェア用駐車場として利用する。
車離れは、高齢者の免許返納や若い世代でも車を所有しないことが原因とされています。特に、若い世代は車の維持費等の問題から、車を所有せずカーシェアを利用している人が増えてきているようです。
そこで、都内のあるマンションでは、空き駐車場にカーシェア用の車を置き、運営会社から駐車場代を受け取るというサービスを導入しました。駅から近いため住民以外の利用もあるそうです。駐車場が私有地を通る場所にあると住民から反対の声があがることも考えられますが、このマンションは駐車場が表通りに面しており私有地を通らず利用できるため成功した事例でもありました。
(2)訪問医療や介護車両の停車スペースとして利用する。
横浜市のあるマンションでは、駐車区画を入れ替え、点在していた7台の空きを建物に近いところに集約し、訪問医療や介護車両の停車スペースにしました。これは訪問医療や介護の必要な方に向けた、新たなアピールポイントとなっているようです。
移動販売車の活用も検討しており、今後もマンションの利用価値の増大が見込まれます。
このように、費用をかけずに、マンションの価値向上や住みやすさに繋がる解決策を生み出す工夫も大切です。自分の住むマンションがどう変化していくのか、住民一人ひとりが行く末を見守っていく必要があるでしょう。