相続の際に建物などの不動産は、現預金や有価証券とは異なり分けるのが困難であるため、ひとまず共有で相続するケースが少なくありません。しかし、実家などを共有で相続すると相続人間で意見が対立するなどトラブルの原因になりやすくなります。

 

1.どのようなトラブルが起きるのか

複数の相続人で相続した場合、そのまま所有していたい・売却して現金化したいなど、共有者の間で意見が対立し、意見がまとまらないケースが多くあります。

また、貸したり建て替えたりする場合でも、共有者全員の同意を得る必要があり、手間や時間がかかることもあります。こういったトラブルから関係悪化に繋がりやすくなります。

 

2.トラブルを避けるために

こうしたトラブルを避けるためには、実家を共有で相続しない・共有を早めに解消することが大切で、共有を解消するには3つの方法があります。

■現物分割…持分に応じて、不動産を物理的に分割する

■代償分割…共有物を取得する人が、他の共有者に代償金を渡す

■換価分割…売却して代金を分ける

ただし、現物分割は物理的に分割することが不可能であったり、代償分割は物件を取得する人が一定の資金を用意するのが必要であったりと、困難である場合も多くあります。換価分割は簡単なようにも思えますが、売却代金や売却時期で揉める場合もあります。

 

トラブルになる前に、相続人の間で話し合いを重ね、妥協点が無いか解決策は無いか探ることが重要になってきます。相続が“争族”にならない為に「とりあえず共有で相続」は避け、慎重に進めていきましょう。