遺言書がインターネット上で作成・保管できる新制度の創設が検討されています。この新制度が始まれば、遺言の制度に詳しくない方でもより簡単に遺言を作成することが可能になるでしょう。

 

1、現在の遺言書は?

現在の制度で法的効力がある遺言書は3種類です。

①自筆証書遺言…本人が紙に直筆する

②公正証書遺言…公証人に作成をお願いする

③秘密証書遺言…封書した遺言書を公証役場に持参する

最も件数多いのが、より手軽な自筆証書遺言で、次に公正証書遺言、秘密証書遺言はほとんど使われていません。

 

2、最も利用されている自筆証書遺言とは?

現在の自筆証書遺言は、作成する本人がペン等を使って本文や作成日を書いて署名・押印をしなければ法的効力がありません。また、自筆証書遺言は法務局に預けて保管してもらう制度もありますが、その場合は細かい規定があり手続きも煩雑になります。高齢者の方が作成するのは簡単なことではありません。

 

3.新制度の利点とは?

ネット上で遺言の作成が可能になれば、専用のフォーマットに入力すればよいので、簡単に自分で作成することが出来ます。クラウドで保管するようにすれば紛失のリスクもなく、ブロックチェーン技術を使えば改ざんも防止できます。ネット上での作成者本人の顔を撮影する等の方法を組み合わせることにより、本人確認も可能になるでしょう。

 

署名・押印に代わる本人確認の方法や改ざん防止の仕組みを作り、使いやすい遺言制度が導入されることによって、より円滑な相続に繋げられる見込みです。