コロナ禍で中古マンションの人気が高まっています。新築マンションの価格が高止まりする一方、中古は全般に割安の水準にあるためです。ただし、税制や購入時の費用で新築と違いがあり、購入後に必要な修繕積立金などチェックすべき点は多くあります。中古の価格自体も上昇傾向にあり、想定以上の出費で家計が圧迫されないように事前の確認が必要です。
首都圏の新築マンション価格は2020年前半に坪単価で340万円台に達してから高値圏で推移している一方、築6~10年以内の中古マンションは新築より約1割安く、築11~20年以内の中古マンションも約3割低い水準にあります。中古は同じ広さや立地でも新築より安いのが一般的で、物件の選択肢も比較的多くあるのもメリットです。
中古住宅の購入で注意したいのは、税制面で中古と新築に違いがある点です。消費税は中古・新築問わず土地にはかかりませんが、家屋は新築なら10%が課税され、中古は売主が個人なら消費税の対象外で、売主が不動産業者なら課税されます。中古物件は売主が個人の場合が多いため、消費税がかからなければ購入費の負担減につながります。
一方で、中古が新築に比べ税制面で不利な点もあります。住宅ローン減税はローン残高の1%等が控除される仕組みですが、消費税がかからない場合は上限額が年20万円と消費税税が課税される場合の年40万円より低くなります。また、築25年以下といった諸条件を満たさないと、控除の対象外になります。
また、家屋に適用する固定資産税の軽減措置では、マンションなら築5年までが税額が2分の1以下に下がるのに対し、築6年以上は対象外になります。仮に築3年の物件を購入した場合には2年分の軽減措置がありますが、6年目からは適用されないことにも注意が必要です。
新築に比べ割安とは言え、中古マンションの価格は上昇傾向にあり、超低金利と住宅ローン減税等を考慮すると当面は値下がりする要素も見当たらないと言われています。ライフイベントや収入の見通し等を十分に踏まえて予算を組むことが大切になってくるでしょう。