新型コロナウイルスの影響で新しい営業スタイルの構築が迫られるなか、効率的に顧客との接点を増やすためのシステムが加速しつつあります。具体的には、<フィンテック企業が借り手のデータに合わせて適したローンを提案し、金融機関につなぐ>という連携が広がってきているようです。

◎アプリで審査効率化◎

顧客は、アプリのチャットで送られてきた提案書から金融機関の商品をひとつ選び、専門家に相談しながら申し込み手続きを進めていきます。これにより、借り手は金融機関に足を運ばなくてもアプリで申し込み手続きを完了することが可能になるのです。

 

また、AI(人工知能)で顧客の属性にあった商品を提案するサービスもあり、過去の成約データ等に基づいて構築した分析モデルを使い、職業や雇用形態・職種・年齢・購入物件の特徴などから、借り手の住宅ローン審査の「通りやすさ」を判定します。

 

住宅ローンは金融機関選びが難しく、本来はより低い金利のローンを借りられるのに高い金利を払い続ける人も少なくありません。逆に自分の信用力を把握しないままネットで低金利のローンを選び、審査に落ちてしまう人もいます。このようなリスクを回避するためにも、AI(人工知能)による最適提案はよりニーズが高まってくるでしょう。

 

銀行の住宅ローン取引は依然として紙やFAXでのやり取りが多いと言えます。顧客の利便性向上と業務効率化の両面で連携が進めば、顧客・銀行、両者にとってよりよい住宅ローンの在り方に変化していくと言えるでしょう。