低金利の住宅ローンを押し出すことで、人気を集めてきたネット銀行ですが、日銀の支援終了によって、強みが薄れつつあります。今回はネット銀行の変化についてご紹介いたします。
■占有率の変化
2013年に日銀が始めた大規模金融緩和で低金利が続いたことによって、ネット銀行は大手銀行に比べ低い金利を提供し、市場での占有率を高めることに成功しました。
実店舗を持たないネット銀行はランニングコストが低く、日銀の支援制度を活用して低金利競争をけん引してきましたが、徐々に変化が起きてきています。
■ネット銀行の金利引き上げ
しかし、低金利で人気を集めていたネット銀行全体で金利引き上げの動きが広まってきているといいます。メガバンクが高い資金調達力を背景に金利を維持していることも影響していますが、ネット銀行の中には、メガバンクの金利を上回る銀行もあるようです。
日銀の支援制度が終了することによって、メガバンクよりもネット銀行の方が打撃を受けることになりそうです。
■まとめ
低金利の強みが薄れてしまったネット銀行ですが、金利以外で新規契約者にアピールする取り組みも活性化させています。ネット銀行と大手銀行の資金調達力の差は、今後も差が広がっていくでしょう。そのため、ネット銀行が競争力を保つには、金利以外の差別化が必須になると考えます。
※日銀の『貸出増加支援制度』とは
日銀が貸し出しを増やした民間銀行に対し、増加分と同額を市場金利より低い金利で貸し付ける制度。民間に流通するお金の量を増やす目的で2013年に始まり、14年には増加分の2倍を低金利で借りられるようになった。大規模金融緩和策の終了を受けて、2025年6月末に新規の貸し付けを終了。
