任意売却の業者選びについてどこに依頼すれば良いか？
おすすめは、宅地建物取扱業の免許を持っている任意売却専門業者です。
任意売却は一般の不動産業者や、不動産業者ではないNPOの法人、サイトのみの運営会社、弁護士、司法書士などの会社や団体が存在します。
・一般の不動産業者の場合
任意売却も不動産売買に変わりありませんので、受付はしてくれますが、金融機関（債権者）との交渉が必要になる任意売却取引は、債権整理に関係する法的な知識が不足している会社も多くあります。
・弁護士や司法書士などの場合
士業という観点より、安心や信用という面では債権者との交渉は心強いでしょう。しかし、不動産の売却先の選定や価格交渉といった業務まで直接行う士業の方は少なく、実際には付き合いのある不動産業者へ外注するケースも多くあります。
弁護士に相談した方が良い場合
1, 住宅ローン以外の借入もあり全ての借入の整理をしたい。
2, 経営中の事業の整理を伴う任意売却をしたい。
3, 不動産の名義人が既に亡くなっているが、相続手続きを済ませていない不動産を売却したい。
4, 自己破産を考えている。
住宅ローンSOSの相談員が、弁護士への相談が必要と判断した場合は、相談者様の希望に応じて債務整理を専門に実績のある弁護士にお繋ぎ致します。
・任意売却専門業者について
任意売却の成功の鍵は、実際に業務を行う営業の担当者です。
債権者とのやりとり、購入者様とのやり取り等、全てにおいて必要なことは交渉力です。不動産・金融の知識と経験を持った担当者かどうか、実際に会社を訪問し、担当者と面談して確認されることをおすすめします。
任意売却を依頼する場合は任意売却専門会社へ
不動産の売却方法は大きく分けて2通りあります。
1, 通常売却：不動産の価格が住宅ローンの残高を上回る場合
2, 任意売却：不動産の価格が住宅ローンの残高を下回る場合
通常であれば大手仲介不動産会社に依頼しても良いのですが、任意売却の場合は債権者との交渉など専門のスキルとノウハウを持っている任意売却専門の不動産会社の方が売却がうまく進むケースがほとんどです。
任意売却を依頼する業者を選ぶ際のポイントは「オーバーローン」です。
オーバーローンとは、不動産市場で流通する実勢価格よりも住宅ローンの残高が上回っている状況をいいます。オーバーローンの任意売却は不動産・金融の知識と経験を持った営業担当が在籍する任意売却専門会社をおすすめします。大手仲介不動産会社に売却の依頼をしているのに、なかなか売れないのはほとんどがオーバーローンの場合です。通常売却での売却価格設定は住宅ローン完済での抵当権抹消を前提にしています。
例えば、
①市場流通価格が2,600万円の場合
②住宅ローン残債 3,000万円
仲介手数料 90万円
抹消登記費用 10万円
合計 3,100万円
③オーバーローン状態での通常売却での価格設定は、3,100万円以上となります。
市場流通価格が2,600万円なのに対し、500万円も高い3,100万円で売りに出しても売却はなかなか前に進みません。オーバーローン状態で通常売却を進めるためにはある程度の現金を売主様が持ち出ししなくてはなりません。しかし、現実的にはそのような余裕資金は売主様にない場合が多いので住宅ローン完済条件での通常売却で設定した価格で売り出し続けるケースも多く見受けられます。
大手仲介不動産会社が任意売却に消極的な理由
・住宅ローンの残債を下回る価格で不動産を売却する任意売却は取扱件数が少なく営業担当が不慣れなことが多いです。
・任意売却は通常売却に比べて、手続きが煩雑なうえ、売却までにかなりの時間を要する為、敬遠される傾向にあります。
・任意売却手続きをスムーズに進める為には、債権者や担保権者とのネットワークと実績が必要ですが、大手仲介不動産会社の営業担当者にはそれがなく、任意売却取引自体に最初から腰が引けてしまっています。
そのような理由により、通常売却を選択して提案することが多くなり任意売却を提案しないケースがほとんどです。結果として、市場価格より高い価格で長期間売出広告を続け、高くて売れない有名物件になってしまい買主が決まらない状態が長く続いてしまいます。
