住宅ローン、夫の死亡と妻の死亡について

1 夫が死亡したケース

住宅ローンを借入している夫が死亡すると、住宅ローンは全部なくなります。

民間金融機関の多くは、住宅ローンを借入する債務者に団体生命保険(団信)の加入を条件としています。

団体生命保険は、住宅ローン返済途中で夫が死亡・高度障害になった場合に、住宅ローン残高と同額の死亡保険金が生命保険会社から金融機関に支払われ、住宅ローンは全部なくなります。団体生命保険の保険料は住宅ローンの金利に含まれており、加入者が別途に保険料を支払う必要がありません。

健康上の理由で通常の団信に加入できない場合には、メガバンクをはじめ多くの金融機関が取扱いしている「ワイド団信」だと加入できる場合があります。生命保険の引受け基準が拡大され、金利が0.2%~0.3%程度高くなりますが、安心して住宅ローンを借入する手段としてはとても有効です。

通常の団信の補償に加えて最近は三大疾病保障付き(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)、七大疾病保障付きなど特約が付いた団体生命保険も数多く出ています。もし本人(住宅ローン借入人)が死亡してしまった場合、ご家族の方は住宅ローンを借入している金融機関に直ちに連絡をしてください。連絡が遅れてしまうと一部の利息が支払われない場合もありますので注意しましょう。

2 妻が死亡したケース

共働きの妻が死亡した場合は、夫の死亡よりもリスクが大きくなります。

夫の名義で住宅ローンを借入した場合、住宅ローンに対する妻の死亡保障はありません。
住宅ローンの返済はそのままの状態で、妻の給料はなくなり一家の収入はダウンします。あわせて、家事や育児を他人に依頼することになると、さらに支出は増えてしまいます。

妻の死亡で収入減少、貯蓄減少の状態になっても夫が死亡した時とは違い、住宅ローンはなくなりません。

*住宅金融支援機構のフラット35「デュエット」(夫婦連生団信)という団信があります。
この団信は、保険料が自己負担で普通より高くなりますが、夫・妻のどちらかが亡くなっても住宅ローン全額が返済されます。