1 引越費用は出してもらえるのか
引越費用は、債権者(金融機関)も住宅購入者も支払い義務はなく、あくまで善意で認めてくれるものとなります。そのため引越し費用を担保するには工夫が必要です。
2 任意売却の売買代金分配について
任意売却で発生した売買代金の分配について詳しくまとめます。
2-1 大抵の債権者が認めてくれる配分項目
- 住宅ローンの残り(対債権者)
- 対象物件売却時の仲介手数料(対不動産業者)
- 抵当権抹消費用(対司法書士)
- 管理費、修繕積立金の滞納分(マンションの場合)
- 固定資産税等の滞納分(対役所)
2-2 交渉次第で認めてくれる費用
- 引越代
- 残置物の撤去費用
- 残金の振込手数料
2-3 競売では、引越代を出す慣習がありません
競売物件の落札者は、主に転売を目的とする不動産業者です。
彼らは、転売利益を最も重視しているので無駄なコストは出しません。このようなスタンスである為、物件の所有者に対しても立置き費用や、引越代について交渉の余地を与えてくれないと心得ておくべきでしょう。
2-4 確保できる引越し費用の相場について
<平均的な相場>
引越代の相場は、家族の人数で上下はあるものの、10万円~30万円位の間で対応可能だと思います。この金額は、住宅金融支援機構が控除経費として認めた引越費用の基準額でもあります。
<高額提示する業者には要注意>
任意売却を取扱う不動産業者の中には、「引越代100万円を保証します」などと言った根拠のない文句で誘ってくるところも少なくありません。
他にも「売却代金から余剰金を必ず確保します」等断言するような表現する業者は信用しない方がよいと思います。
3 引越代を確保するために大切なのは…?
引越代を確保するためには何よりもまず、債権者(金融機関)と任意売却業者(不動産会社)との信頼関係が大切です。その上で、交渉を円滑に進めていくことが引越費用確保のために鍵となります。