シニア世代で足腰の衰えや要介護状態になる場合に備え、リフォームを検討する方が多くなっていますが、そのリフォーム費用がかさみ家計への負担増になっている例が目立ってきています。まず生活費や介護費を確保した上で、税制優遇や助成金等の制度も活用しつつ、リフォームの計画を慎重に練ることが重要です。

まず、リフォーム費用に応じて所得税と固定資産税を減免する制度があります。それぞれ工事の限度額が決まっており、限度額までの工事費用10%を税額控除します。

所得税の減免対象になるリフォーム

①バリアフリー工事…工事限度額200万円

②耐震工事…工事限度額250万円 ※窓の断熱改修工事に加え太陽光発電設備を設置する場合は+100万円

③省エネ工事…工事限度額250万円

④三世代同居工事…工事限度額250万円

尚、耐震+省エネ+耐久性向上(土台の防腐処理等)工事…限度額500万円

これに太陽光発電を設置すれば限度額は600万円まであがります。また、制度の対象になる費用は実際に支払う金額ではなく、国が定めた「標準単価」を基準として施工面積を掛ける等して計算した金額になります。

 

耐震改修は2023年12月末までに工事が完了することが条件で、バリアフリー・省エネ・三世代同居・耐久性向上は入居することが必要条件となります。また、耐震は築年数の条件、耐震以外は住宅の床面積が50㎡以上という基準がある点にも注意が必要です。

固定資産税の優遇では、耐震・バリアフリー・省エネの工事は翌年度に納める税額の3分の1~2分の1を減額します。所得税の優遇とあわせて利用が可能ですが、耐震工事を除き床面積が50㎡~280㎡であるが条件で、2024年3月末までに工事を完了させる必要があります。

 

先述した税優遇以外にも、国や自治体が費用を助成する制度も多く、また、今後も税改正などで更なる優遇を受けられる可能性もありますので、リフォーム費用に関する制度についてよく調べた上で計画を立てると良いでしょう。